ホラーの哲学 フィクションと感情をめぐるパラドックス|ノエル・キャロル
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■著者
ノエル・キャロル=著
高田敦史=訳
■内容
なぜ、「怖い」のに「見たい」のか?
なぜ、存在しないものを怖がるのか?
ここから、ホラーの哲学は始まった。
ホラーの哲学を初めて理論化した革新的著作が、待望の邦訳!
分析美学の第一人者であり、映画・大衆芸術(マス・アート)研究の分野でも活躍するノエル・キャロルによる、ホラーの哲学の初めての体系的著作。
『フランケンシュタイン』『ジキル博士とハイド氏』『ドラキュラ』『エクソシスト』『オーメン』『エイリアン』、さらにはH・P・ラヴクラフト、スティーヴン・キング、クライヴ・バーカー、シャーリイ・ジャクスンなど……
本書では、古典的名作から現代のヒット作品、さらには無名のB級作品まで、膨大な作品群を縦横無尽に取り上げながら、ホラーとは何か、その本質や定義、物語構造とプロット分析、ホラーの魅力、さらにはホラーモンスターの作り方についてなどを論じる。
そして、哲学的な観点から、存在しないとわかっているものをなぜ怖がってしまうのか(フィクションのパラドックス)、また、恐怖を与えるホラー作品をなぜわざわざ求めるのか(ホラーのパラドックス)について考察する。
吸血鬼、ゾンビ、人狼、悪魔憑きの子ども、人造人間、スペースモンスター、幽霊、その他の名もなき怪物たちが、なぜわたしたちの心を摑んで離さないのか。
フィクションの哲学、感情の哲学、ポピュラーカルチャー批評を駆使して、その不思議と魅力の解明に挑む!
■目次
謝辞
序
本書が置かれた文脈/ホラージャンル摘要/ホラーの哲学とは?
第1章 ホラーの本質
ホラーの定義
まえおき
感情の構造について
アートホラーを定義する
アートホラーの定義に対するさらなる反論と反例
幻想の生物学とホラーイメージの構造
要約と結論
第2章 形而上学とホラー、あるいはフィクションとの関わり
フィクションを怖がる──そのパラドックスとその解決
フィクション錯覚説
フィクション反応のフリ説
フィクションへの感情反応の思考説
要約
キャラクター同一化は必要か
第3章 ホラーのプロット
ホラープロットのいくつかの特徴
複合的発見型プロット
バリエーション
越境者型プロットおよびその他の組み合わせ
典型的ホラー物語が与えるもの
ホラーとサスペンス
疑問による物語法/サスペンスの構造
幻想
第4章 なぜホラーを求めるのか?
ホラーのパラドックス
宇宙的畏怖、宗教的経験、ホラー
ホラーの精神分析
ホラーの魅力の一般理論と普遍理論
ホラーとイデオロギー
ホラーの現在
訳者解説
■抜粋
ホラー作品では、モンスターが登場することによって、ひとつの文化的空間が開かれ、そこで文化の価値や概念が逆転され、反転され、裏返される。これはおそらく鑑賞者にカタルシスを与え、文化において許容できると考えられるものの外部にある思考や欲求をかたちにする機会を与えてくれる。しかし、この規範からの逸脱が許されるには条件があって、すべてが終わり、物語が結末を迎えたときには、規範が再構成されなければならないーー存在論的にやっかいなモンスターが排除され、不快なふるまいが罰される。これによって、規範は以前よりも強力なものとして現れる。いわば規範が試練を受け、異常なものに打ち勝つことが確立され、またーー支配的な文化の観点から見てーー手に負えないものとされ、場合によっては薄気味悪いものとされる思考や欲望が、比喩的に言えば、槍で突かれることになる。
こうした観点からすれば、現代のホラー作品を、大衆社会のための反転の儀礼と考えることができるかもしれない。そして、こうした儀式の機能はーーそのプロット構造の中で文字通り演じられているようにーー支配的な文化の観点と、その規範についての考え方を祝福することにある。ここで関連してくる規範は政治的なものと見なされるし、その安定にはイデオロギー的負荷が伴う。こうして、ホラー作品の根底にあるシナリオを繰り返し上演することで、現状の体制維持を強化することが不可避となる。(pp.429-430.)
■状態:【B】並上
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【A】良好
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【B】並上
一般的な中古本として良好な状態です。
カバーや本体に多少のスレ・ヤケ・小さな汚れなどが見られる場合がありますが、本文の通読には支障ありません。
【C】並
中古本として標準的な状態です。
ヤケ・シミ・スレ・小折れ・軽微な書き込み等が見られる場合がありますが、通読には問題のない範囲です。
【D】やや難あり
目立つ使用感があります。
ヤケ・シミ・折れ・書き込み・カバー傷みなどが比較的多く見られる場合があります。読むこと自体は可能ですが、状態を重視される方はご注意ください。
【E】難あり
強い使用感または傷みがあります。
書き込み、強いヤケ、破れ、ページ傷みなどが含まれる場合があります。資料用・読書用としてのご理解の上でご検討ください。
