アメリカ音楽史 ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで|大和田俊之
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■著者
大和田俊之
■内容
アメリカ音楽産業の殿堂・グラミー賞の歴代受賞者も多数登場。
偉大なるプレイヤーたちとそのサウンドの<歴史>をめぐる、エキサイティングな1冊!
ロック、ジャズ、ブルース、ファンク、ヒップホップ……音楽シーンの中心であり続けたそれらのサウンドは、19世紀以来の、他者を擬装するという欲望のもとに奏でられ、語られてきた。
アメリカ近現代における政治・社会・文化のダイナミズムのもと、その<歴史>をとらえなおし、白人/黒人という枠組みをも乗り越えようとする、真摯にして挑戦的な論考。
2011年サントリー学芸賞[芸術・文学部門]受賞
■目次
はじめに
第1章 黒と白の弁証法 ――偽装するミンストレル・ショウ
第2章 憂鬱の正統性 ――ブルースの発掘
第3章 アメリカーナの政治学 ――ヒルビリー./カントリー・ミュージック
第4章 規格の創造性 ――ティンパン・アレーと都市音楽の黎明
第5章 音楽のデモクラシー ――スウィング・ジャズの速度
第6章 歴史の不可能性 ――ジャズのモダニズム
第7章 若者の誕生 ――リズム&ブルースとロックンロール
第8章 空間性と匿名性 ――ロック/ポップスのサウンド・デザイン
第9章 プラネタリー・トランスヴェスティズム ――ソウル/ファンクのフューチャリズム
第10章 音楽の標本化とポストモダニズム ――ディスコ、パンク、ヒップホップ
第11章 ヒスパニック・インヴェイジョン ――アメリカ音楽のラテン化
注
Bibliographical Essay │参考文献紹介
あとがき
索引
■抜粋
ソ連との間に冷戦が始まり、国内の共産主義者に対する魔女狩りが吹き荒れるなか、ジョセフ・マッカーシー上院議員は「フォーク」という用語を共産主義と結びつけて攻撃した。彼は「フォーク・ミュージック」を演奏するウィーバーズを共産主義のシンパと断定し、メンバーのピート・シーガーを非米活動委員会に召喚して過去の共産主義的な活動をすべて問いただしたのである。同じ時期にメディアは一斉に「フォーク」という用語の使用を控え、その代わりに「カントリー」という言葉が流通するようになった。1953年12月までに『ビルボード』誌の音楽ジャンルとしても「カントリー」が定着したのである。
ここで重要なのは、同じカテゴリーの音楽を指していたはずの「フォーク・ミュージック」と「カントリー・ミュージック」がこれを機に政治に離反する点である。いまいちど整理してみよう。白人の「農村/田舎」の音楽は、1920年代には保守的なイデオロギーを体現していた。自動車会社の創設者ヘンリー・フォードはフィドリン・ジョン・カーソンなどの「オールド・タイミー」なミュージシャンをサポートすることで、「農村/田舎」の白人的価値観に根ざしたナショナリズムを喚起した。それは次章でみるティンパン・アレーやジャズなどの都市の音楽ーーフォードはそれをユダヤ人と黒人と結びつけて考えていたーーに対する嫌悪感の表明であり、地方の白人こそが「真のアメリカ人」であるという信念にもとづいた行動であった。ところが、先に述べたように1930年代の人民戦線路線により、アメリカでは共産党が「フォーク・ミュージック」を「民衆」の音楽として評価する。ある音楽を「フォーク」としてみるか「カントリー」として聴くかーーそこには単なる音楽ジャンル以上の政治性が賭けられている。そして赤狩りの結果、「カントリー」というジャンル名に統合された白人の「農村/田舎」の音楽は、愛国心や信心深さなど保守的な価値観を内包する音楽として機能しはじめる(もちろん、ピート・シーガーは90歳を越えた現在も「フォーク」・ミュージックを演奏しつづける左翼として活動している)。(pp.62-63.)
■状態:【B】並上
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【B】並上
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カバーや本体に多少のスレ・ヤケ・小さな汚れなどが見られる場合がありますが、本文の通読には支障ありません。
【C】並
中古本として標準的な状態です。
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【D】やや難あり
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ヤケ・シミ・折れ・書き込み・カバー傷みなどが比較的多く見られる場合があります。読むこと自体は可能ですが、状態を重視される方はご注意ください。
【E】難あり
強い使用感または傷みがあります。
書き込み、強いヤケ、破れ、ページ傷みなどが含まれる場合があります。資料用・読書用としてのご理解の上でご検討ください。
