交易する人間(ホモ・コムニカンス) 贈与と交換の人間学|今村仁司
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■著者
今村仁司
■内容
本書の主題は、具体的事例に則して言えば、贈与と交換の社会哲学である。より正確に言えば、本書は、贈与と交換を峻別する。そうすることで、近代に出現した市場経済、そして特殊近代的な資本主義経済の歴史的位置づけ、ひいてはそれらがかかえる歴史的限定性を明らかにできるからである。…… 要するに、本書は、人類が歴史的に経験してきた種々の相互行為を観察することを通して、社会存在としての人間の根源に迫る試みである。
■目次
プロローグ
第一章「〈社会的〉なもの」とは何か
1「社会的」の二つの意味
2「社会的」の歴史的経験
3 全体的社会的事実
第二章 交易の構造
1「交易」概念の導入
2 欲望と解釈と理解
3 駆け引きと制度形成
第三章 交易としての労働──聖俗論の彼岸
1 信仰と労働
2 聖俗論と霊性の概念
3 供犠と祈りと倫理
第四章 交易としての贈与──共有される負債
1 純粋贈与のパラドクス
2 贈与の義務
第五章 神話的想像の動学──贈与と所有
1 贈与と交換
2 ハウの概念
3 所有と法の理念
第六章 人間学の基本問題──贈与と威信
1 原初の場面
2「駆け引き」と自己破壊
第七章「人格的所有」論──譲渡と非譲渡
1 譲渡不可能なものとは何か
2 交易要求の圧力
3 兄弟姉妹の親密関係
第五章 資本主義の誕生──贈与から交換へ
1 市場経済の登場
2 家政学と経済学
3 すべての贈与論的所有形態の解体
エピローグ
■抜粋
社会生活のなかで、人は与えることを義務付けられている。人が何かを他人に与えるとき、何が生じるであろうか。基本的には二つの事態がある。
一つは、連帯の関係である。二人の当事者は、ものを分かち合う。連帯的な結合を作り出すのは、誰かが与えるときの具体的動機であろう。動機の裏側には語りえない力がひそかに働いているが、それは連帯の形成の動機に姿を変えている。もう一つは、両当事者の間での優位関係の形成である。与える人は、与えられる(受け取る)人に対して負い目(恩義、負債)の感情を負わせる。一方は他方に優位する。ここから上下関係あるいはヒエラルヒーが生まれてくるだろう。相互行為においての贈与行為は、優位と負い目という二つの感情の交易である。
連帯のアスペクトは、普通は「気前のよい」行為として表現される。それは称賛に値する行為であり、道徳的な価値として承認される。優位関係のアスペクトは、けっして腕力や暴力の関係ではないが、気前のよさという没利害の外観を装う力関係である。それは暴力を抑える行為であり、暴力圧力にとって代わり、暴力を抑制する意味では、それはいわば暴力の代理でもある。二つのアスペクトは切り離せないが、現実の相互行為のなかではたいていは優位関係が決定的な影響力をもっている。社会生活は、たとえ同等な社会でも、そのなかに競争や闘争へとみちびく潜在的な力をかかえている。(pp.142-143.)
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