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■著者
M・チクセントミハイ
E・ロックバーグ・ハルトン
市川孝一訳
川浦康至訳
■内容
こころを抜きに人を語れないのと同じく、物を抜きには人間とその歴史を語ることはできない。仕事の道具・子どもからのプレゼント・幼い日の宝物。物は人の喜怒哀楽を帯び、人格と歴史を形作る。本書は、人間存在と物(object)の関わりを、広範なフィールドワークに基づき解説する、社会心理学の古典である。
■目次
はじめに
第一部
第1章 人間と物
第2章 物は何のためにあるか
第二部
第3章 家の中でもっとも大切にしている物
第4章 物との関係と自己発達
第5章 シンボル環境としての家庭
第6章 幸福な家庭の特徴
第三部
第7章 人と物との交流
第8章 家族生活の記号
第9章 意味と生存
付録
引用文献
■抜粋
涵養には、”to tend”という動詞の二種類の意味が含まれている。つまり、一つは面倒をみたり世話をするといった意味(例「彼女は毎日、植物の世話をしている」である。換言すれば、”to attend to”(世話をする)である。もう一つは、ある方向ないし傾向に進み方向づけられる(例「彼は正しいやり方を見つけようとしている」)という意味、すなわち、ある目的を「意図する」”to intend”ことである。実際、涵養ーーある物や生活習慣を、世話や訓練、探求によって改善し、発展させ、向上させ、それが結果としてあらわれることーーは、《文化》ということばの本来の意味にもっとも近い。もっとも、レヴィ・ストロースの構造主義、デヴィッド・シュナイダーの認知人類学、ウンベルト・エーコの「記号論」に代表される現代の文化理論は、むしろ静的な「象徴体系」アプローチに組し、こうした側面を除外する。これらの現代理論によれば、文化の本質はそれが現実の生身の生活ではなく、概念的信念の「理論」システムであるという点にある。これらの理論は、意味とか目的を持たない全くばらばらの機械的なシステムである自然と、あらゆる意味の認識の源である文化、という徹底した二分法を強調する。それに対し、われわれは自然も文化も一つの連続体上にあると考える。つまり文化や涵養は自然の完成した姿なのである。ある人が植物の面倒をみる習慣を身につけたとすれば、それは植物と人間という二つの自然が交流によって高められたと考えられる。したがって、物の意味は、相互作用という行為と、その行為がめざす方向や目的を通して作られていくものである。それが、つまり物理的成長であり、心理的成長である。
(p.219)
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