
コンヴィヴィアル・テクノロジー 人間とテクノロジーが共に生きる社会へ|緒方壽人
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■著者
緒方壽人
■内容
本書は、思想家/文明批評家のイヴァン・イリイチが提唱した概念「コンヴィヴィアリティ(自立共生)」を足がかりに、これからの人間とテクノロジーのあり方を探る一冊です。
テクノロジーが飛躍的に発展し、豊かさを手に入れた私たちは、道具を使いこなしているようでいて、実は道具に使われてしまってはいないでしょうか。また、「人新世」とも呼ばれる気候変動危機の時代にあるいま、行き過ぎたテクノロジーはいかにして再び「ちょうどいい道具」になれるのでしょうか。そのカギは、イリイチが示した適度なバランスを保つための「二つの分水嶺」という考え方にあります。
人間にとってテクノロジーとはどのようなものなのか。これからのテクノロジーはどうあるべきなのか。テクノロジー自体が自律性を持ち始めたAI時代に、人間と人間、人間と自然、そして人間とテクノロジーが共に生きるための「コンヴィヴィアル・テクノロジー」とは何なのか ── デザイン・イノベーション・ファームTakramで数々の先駆的なプロジェクトを率いてきた気鋭のデザインエンジニア・緒方壽人氏が、先人たちのさまざまな言説を辿り、思考を巡らせながら紐解きます。
実世界のあらゆるモノ同士がつながるIoTの未来を研究する「万有情報網プロジェクト」の各研究領域リーダーたちとの対話も収録した本書は、ものづくりに携わる人たちはもちろん、もはやテクノロジーと切り離せない生活を送るあらゆる人にとって確かな指針となるでしょう。
■目次
コンヴィヴィアル?
プロローグ
第1章 人間とテクノロジー
第2章 人間と情報とモノ
第3章 人間とデザイン
第4章 人間と自然
第5章 人間と人間
第6章 コンヴィヴィアルテクノロジーへ
第7章 万有情報網
エピローグ
■抜粋
イリイチは、わたしたちは道具を使うのか、道具に使われるのかと問うているが、道具は本来「使う」か「使われる」かだけでなく、誰かが「つくった」ものであり、「つくる」もしくは「つくりかえる」ことができるものでもある。わたしたちは、テクノロジーだけでなく社会のシステムやルールを含めイリイチが道具と呼んだ様々なものに囲まれているが、いったいどれだけの道具をつくることができているだろうか。また、いまある道具をつくりかえるという発想を持てているだろうか。デザインやエンジニアリングの仕事をしていると、つい「ユーザー(使う人)」という言葉を当たり前のように使ってしまう。もちろん何かをつくる時に使う人の立場に立つことは必要不可欠だが、それもまた行き過ぎれば、つくる人と使う人を暗黙のうちに分断し、使う人自身がつくったり、つくりかえたりできる可能性を排除し、テクノロジーをブラックボックス化してしまうことにもつながる。未来のテクノロジーは、「使える」道具であるだけでなく、「つくれる」道具や「つくりかえられる」道具でもあるべきだろう。(pp.195-196)
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