
ケアするのは誰か? 新しい民主主義のかたちへ|ジョアン・C・トロント、岡野八代
¥900 税込
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■著者
ジョアン・C・トロント、岡野八代
■内容
〈ケアに満ちた民主主義〉への変革を訴える米国の政治学者トロントが、「ブラウン民主主義賞」を受賞した際の講演録『ケアするのは誰か?』を邦訳。あわせて日本のフェミニスト政治学者である訳者が、日本の状況も分析しながら、ケア民主主義への変革がなぜより善く生きる社会への変革なのかをていねいに解説する。
■目次
訳者まえがき
第1章 ケアするのは誰か?──いかに、民主主義を再編するか(ジョアン・C・トロント/岡野八代 訳)
第2章 民主主義の再生とケアの倫理──ジョアン・トロントの歩み(岡野八代)
第3章 ケアの倫理から、民主主義を再起動するために(岡野八代)
■抜粋
繰り返そう。ケア実践から導き出される倫理が、民主的であらねばならないのは、なによりも、ケア実践に直接かかわる者たちの関係性が、そもそも能力や立場が大きく異なるがゆえに、ケアを受ける者たちが暴力にさらされたり、じっさい満たされるべきニーズが、ケアを提供する者や、そもそもそのニーズとは何かを決める者にきちんと伝わらない可能性が高まるからである。したがって、その関係性の内部では、ケア実践を通じて、より良いケアがなされているかが、ケアを受ける者の反応を注視しながら、なんども問い返されなければならない。そして、「大きな政府」は、そうした関係性のなかでは供給できない資源や、ケアする者たちのニーズを満たすために、ケアを受け取るひとの安全や福祉を配慮すると同時に、ケアする者たちの要望にも応えていくべきであろう。つねに、この社会は誰によってケアされているか、Who Cares?と問いながら、ケア実践という重責を担うことによって、政治的領域へのアクセスが途絶えてしまわないように、政治こそが、ケア実践にのりだすべきだ。(p.154)
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